「オークション」と言っても、日本ではまだまだなじみは薄い。
ところが、ドイツでは協会に登録されているオークション会社だけで40社
あまりもあるという。
「西欧では、ローマ時代からオークションというのは行われていまして、今でもたとえば裏のおばあさんが18世紀のカップ&ソーサーを持ち込んでくるなんていうことは珍しくありません」
ナーゲル社はシュトゥットガルトに本拠をもつ、1992年創業のドイツ第2位の総合オークションハウス。日本人は骨董屋さんをイメージしてしまうが、彼らは高く売りたい持ち主と安く買いたいコレクターの仲介として
オークションをするのであって、品物を所有することはない。
また、ヨーロッパの古城の貴族の便器から掛けられている絵画までの内装品一式や、インドネシア領海内に沈んだ清朝の沈没船「的惺号」を引き上げて35万点以上の中国磁器製品を対象にしたりと、規模の大きい国際的オークションも開催している。
「おもに4つのカテゴリー商品を扱います。
まず、絵画・陶器といった美術工芸品、日本も含む東洋美術品、
モダンアート、そのほか全般的なアンティーク品です。」
2002年12月5日にドイツのナーゲル本社で行われた、マイクロ彫刻画の「コノッサー・コレクション」の東京プレビューを皮切りに本格的な日本進出も果たした。
このインタビューの翌日、彼は以下の様に述べて中国へと飛び発った。
「明日は中国に発ち、依頼のあったアンティークの査定を行います。
日本でもオークションにかけたいようなものをお持ちの方はお気軽に
ご連絡ください」
ロビン・フィリップ・シュトラウブ氏
Robin Ph.Straub
(1956-2004)
1956年、ドイツ、シュトゥットガルド生まれ。経済マネージメントを専攻して、78年にシュトゥットガルド・アート・オークションハウスに入り時計担当エキスパートになる。81年、IHKホールセールと国際貿易資格を取得。83年、代表取締役ゲルト・K・ナーゲル氏代行に就任。86年、オークショニア免許取得。90年、ナーゲル・オークションズオーナー兼社長就任。2005年12月永眠。享年47歳。
右図は、記者会見に臨んだシュトラウブ氏(左)とコレクション・キュレーター(専門鑑定人)であり同コレクションのカタログ製作者であるペーター・W・ハルトマン氏(右)。
夜のナーゲル本社